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「身寄りがない」「おひとりさま」の直葬|生前にできる準備とは
身寄りがない方や、親族と疎遠になっている方のなかには、自分が亡くなった後は、通夜や告別式を行わない直葬で見送ってほしいと考えている方もいるでしょう。直葬は、一般的な葬儀に比べて内容がシンプルで、参列者や費用の負担を抑えやすい葬送方法です。
しかし、直葬を希望していることをエンディングノートなどに書いておくだけでは、必ずしも希望どおりに行われるとは限りません。直葬であっても、ご遺体の搬送や安置、火葬場の予約、火葬に必要な手続き、費用の支払い、遺骨の引き取りなどを行う人が必要です。身寄りがない方が希望する形で直葬を行うためには、どの葬儀社へ依頼するのか、誰が葬儀社へ連絡するのか、費用をどのように支払うのかまで、生前に決めておくことが大切です。

この記事では、身寄りがない方やおひとりさまが直葬を希望する場合に、準備しておきたいことを解説します。
身寄りがない方が直葬を希望するケース
『身寄りがない』という言葉は、親族が一人もいない場合だけを指すものではありません。戸籍上は兄弟姉妹や甥、姪などの親族がいても、長年連絡を取っていない、遠方に住んでいる、高齢や病気で対応できないなど、実際には葬儀を頼むことが難しい場合があります。親族との関係は良好であっても、葬儀の手配や費用の負担をかけたくないという理由から、直葬を選びたいと考える方もいるでしょう。
直葬は通夜や告別式を行わないため、親族や参列者に集まってもらう必要がなく、小規模な形で見送りやすい方法です。一方で、葬儀の規模を小さくすることと、亡くなった後の手続きがなくなることは同じではありません。
身寄りがない方こそ、直葬を希望していることだけでなく、直葬を実際に行うための準備まで整えておく必要があります。
直葬でもご逝去後すぐに火葬できるわけではない
直葬とは、通夜や告別式などの儀式を行わず、ご遺体を火葬場へ搬送して火葬する葬送方法です。火葬式と呼ばれる場合もあります。
直葬という言葉から、亡くなった後に病院などから直接火葬場へ移動し、すぐに火葬する流れを想像する方もいるかもしれません。しかし、法律上、火葬は原則として死亡後24時間を経過してから行う必要があります。
また、火葬を行うには市区町村長の許可が必要で、火葬許可証の交付を受けなければなりません。
そのため、一般的な直葬では、病院や施設、ご自宅などからご遺体を搬送し、葬儀社の安置施設などで火葬まで安置します。火葬場の空き状況によっては、火葬まで数日待つこともあります。
直葬であっても、ご逝去後には次のような対応が必要になります。
- 病院や施設などからのご遺体の搬送
- 火葬までのご遺体の安置
- 葬儀社との打ち合わせや契約
- 死亡届や火葬許可に関する手続き
- 火葬場の予約
- 棺や骨壺などの準備
- 葬儀費用や火葬料金の支払い
- 火葬当日の立ち会い
- 遺骨の引き取り
式を行わない直葬であっても、これらの対応を進める人が不可欠です。
引き取り手がいない場合は自治体が火葬することもある
亡くなった方の身元が判明していても、火葬を行う人がいない場合や、誰が対応するのか分からない場合があります。墓地、埋葬等に関する法律では、埋葬や火葬を行う人がいないとき、または判明しないときは、死亡地の市町村長が対応すると定められています。
ただし、自治体による火葬は、引き取り手がいない場合に必要となる行政上の対応です。本人が希望する葬儀社を選び、お別れの方法や棺に入れるもの、火葬後の納骨先などを細かく決めるための制度ではありません。
自治体によって親族の調査方法や火葬までの流れ、遺骨の保管方法なども異なる場合があります。厚生労働省の調査でも、ご遺体の保管場所や費用、親族調査にかけられる期間など、自治体ごとに異なる事情があることが示されています。
希望する形で直葬を行い、その後の遺骨の行き先まで決めておきたい場合は、自治体の対応に任せるのではなく、生前に準備しておくことが重要です。
身寄りがない方が直葬のために準備しておきたいこと

まずは、自分が希望する直葬の内容を整理しましょう。
直葬は、通夜や告別式を行わずに火葬するという点では共通していますが、葬儀社やプランによって含まれる内容が異なります。火葬前に短時間のお別れができる場合もあれば、火葬場で待ち合わせをし、炉前で短いお別れのみを行う場合もあります。僧侶による読経を依頼できるプランや、花を棺に入れられるプランなどもあります。
事前に考えておきたいのは、火葬前のお別れを希望するか、友人や知人に参列してほしいか、花や遺影写真を用意したいかといった内容です。読経や戒名を希望する場合は、その旨も葬儀社へ伝えます。棺に入れてほしいものがある場合は、火葬できるものかどうかも確認しておきましょう。火葬後についても、誰に遺骨を引き取ってほしいのか、どこへ納骨するのかを考えておく必要があります。
直葬だから何も決めなくてよいわけではありません。自分にとって必要なものと、必要のないものを整理しておくことで、希望に合った直葬を選びやすくなります。

直葬を希望する場合は、元気なうちに葬儀社へ相談しておくことが大切です。特に身寄りがない方は、親族に葬儀を任せることが難しいことや、親族以外の友人、知人、専門家などに対応を頼みたいことを伝えましょう。
事前相談では、ご逝去後に誰から連絡すればよいのか、深夜や早朝でも搬送に対応してもらえるのかを確認します。ご遺体の安置場所や、火葬まで面会できるかどうかも大切な確認事項です。直葬プランに含まれるものだけでなく、火葬料金や追加費用についても説明を受けましょう。
また、親族以外の人が火葬に立ち会ったり、遺骨を引き取ったりする場合は、どのような手続きや書類が必要になるのかを確認しておくと安心です。見積書を受け取り、基本料金だけでなく、追加費用が発生する条件まで確認しておくことも重要です。火葬場が混雑して安置日数が延びた場合や、搬送距離が長い場合、深夜や早朝に搬送する場合などは、追加費用がかかることがあります。
表示されているプラン料金だけで判断せず、火葬を終えるまでに総額でどの程度必要になるのかを確認しておきましょう。

葬儀社へ事前相談をしていても、本人が亡くなったことが葬儀社へ自動的に伝わるわけではありません。病院や施設などから連絡を受け、葬儀社へ搬送を依頼する人が必要です。親族に頼むことが難しい場合は、信頼できる友人や知人、後見人、死後事務を依頼した専門家など、誰が最初に動くのかを決めておきましょう。
緊急連絡先は一人だけでなく、第一連絡先と第二連絡先を用意しておくと安心です。連絡先は、かかりつけ医や入居施設、ケアマネジャーなどにも伝えておきます。自宅で一人暮らしをしている場合は、緊急連絡先や依頼する葬儀社の連絡先を、分かりやすい場所に保管しておく方法もあります。
死後事務サービスに関する国のガイドラインでも、ご逝去後に速やかに対応できるよう、関係機関へ連絡先を周知したり、自宅内の分かりやすい場所に掲示したりすることが重要とされています。

直葬は、通夜や告別式を行う葬儀より費用を抑えやすい方法ですが、無料で行えるわけではありません。ご遺体の搬送、安置、棺、骨壺、ドライアイス、火葬場への移動などに費用がかかります。火葬場の使用料が、直葬プランとは別になっている場合もあります。葬儀費用を準備するときは、必要となる金額だけでなく、実際に誰が葬儀社へ支払うのかまで決めておくことが大切です。
本人名義の預貯金は、ご逝去後すぐに自由に引き出せない場合があります。口座にお金を残しておくだけでは、火葬までの支払いに間に合わない可能性もあります。友人や専門家などが一時的に立て替えるのか、事前に費用を預けるのか、不足した場合はどのように対応するのかを葬儀社や専門家へ相談しておきましょう。
葬儀費用を事前に預ける契約を利用する場合は、預けたお金の管理方法、途中で解約した場合の返金、事業者が廃業した場合の対応なども確認する必要があります。

直葬を行った後には、遺骨を誰が引き取り、どこへ納めるのかという問題が残ります。先祖代々のお墓がない場合や、お墓を継ぐ人がいない場合には、永代供養墓、納骨堂、樹木葬、合祀墓、散骨などが選択肢になります。
遺骨の一部だけを手元に残し、残りを納骨または散骨する方法もあります。供養先を選ぶときは、費用だけでなく、個別に安置される期間や、将来ほかの方の遺骨と一緒に納められる可能性を確認しましょう。
年間管理費の有無や、お参りできる場所と時間、納骨の手続きを誰が行うのかも大切です。直葬の手配だけを決め、遺骨の行き先を決めていないと、引き取った人がその後の対応に困ってしまいます。
直葬と納骨、供養は、一つの流れとして考えておきましょう。
死後事務委任契約を利用して直葬を依頼する方法
親族に直葬の手続きを頼めない場合は、死後事務委任契約を検討する方法があります。死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後に必要となる手続きを、信頼できる人や専門家、事業者などへ依頼する契約です。
契約内容によっては、次のような対応を依頼できます。
- 関係者や葬儀社への連絡
- ご遺体の搬送や直葬の手配
- 葬儀費用や火葬料金の支払い
- 遺骨の引き取り
- 納骨や散骨の手配
- 病院や施設の費用の精算
- 賃貸住宅の明け渡し
- 電気、ガス、携帯電話などの解約
- 遺品整理
国のガイドラインでも、死後事務サービスには葬儀、火葬、埋葬、供養などに関する事務が含まれ、ご逝去後に速やかに葬儀社へ連絡できるよう、生前に調整しておくことが重要とされています。
ただし、死後事務委任契約を結べば、どのような手続きでも自動的に行ってもらえるわけではありません。
誰が葬儀社へ連絡するのか、直葬の内容、費用の上限、遺骨の引き取り先、納骨方法などを契約書に具体的に記載しておく必要があります。
依頼する際は、対応範囲、報酬、実費、預託金の管理方法、解約条件、手続き完了後の報告方法なども確認しましょう。
遺言書だけでは直葬の手配は難しい
身寄りがない方の生前準備では、遺言書を作成することも大切です。ただし、遺言書と死後事務委任契約では役割が異なります。

遺言書は、主に預貯金や不動産などの財産を誰に引き継ぐのかを定めるためのものです。一方、葬儀社への連絡や直葬の手配、火葬料金の支払い、遺骨の引き取りなど、亡くなった直後に必要となる対応は、死後事務委任契約などで準備します。
遺言書に直葬を希望すると書いておくことはできますが、葬儀が終わるまで遺言書が発見されない可能性もあります。直葬の希望は遺言書だけに残すのではなく、エンディングノートや希望書にもまとめ、実際に手続きをする人と葬儀社へ共有しておきましょう。自筆証書遺言については、法務局で原本を保管する自筆証書遺言書保管制度も設けられています。
遺言書の作成方法や相続について不安がある場合は、弁護士、司法書士、行政書士、公証役場などへ相談しましょう。
信頼できる相談相手を見つけるためのポイント
身寄りがない方が直葬の準備を進める場合、葬儀社だけですべての死後手続きを行えるとは限りません。直葬の流れや費用については葬儀社、死後事務委任契約や遺言書については専門家というように、相談内容に応じて窓口を分けましょう。
葬儀社を選ぶ際は、直葬の内容と総額を分かりやすく説明してくれるかどうかを確認します。身寄りがないことを伝えたときに、具体的な準備方法を案内してくれるか、対応できることとできないことを明確に説明してくれるかも大切です。契約内容や費用を書面で提示してくれることや、契約や支払いを急がせないことも、信頼できる相談先を判断するポイントになります。費用を事前に預ける場合は、管理方法や解約時の返金条件も確認しましょう。
直葬は亡くなった直後に手配しなければならないため、ご逝去後に一から葬儀社を探すのは、対応する人にとって大きな負担になります。複数の葬儀社を比較し、質問に対して丁寧に回答してくれる相談先を、生前に見つけておくことが大切です。
神奈川直葬センターでは、直葬に関する事前相談を随時受け付けています。
直葬を専門に取り扱っているため、ご逝去後の流れや必要な手続き、費用、火葬後の納骨まで、専門的な知識をもとに分かりやすくご案内いたします。身寄りがない方や、親族へ葬儀の負担をかけたくない方からのご相談にも対応しています。事前に相談しておくことで、希望する直葬の内容や連絡方法、費用について整理でき、ご逝去後に手続きをする方の負担も軽減できます。
施設の見学も可能ですので、直葬について不安なことや分からないことがある方は、お気軽に神奈川直葬センターへご相談ください。
身寄りがない方の直葬・生前準備チェックリスト
直葬を希望する場合は、少なくとも次の項目を確認しておきましょう。
- 直葬で見送ってほしいことを書面に残した
- 依頼する葬儀社と直葬の内容を決めた
- 火葬料金を含む総額を確認した
- ご逝去後に葬儀社へ連絡する人を決めた
- 直葬費用の支払い方法を決めた
- 遺骨を引き取る人と納骨先を決めた
- 必要に応じて死後事務委任契約や遺言書を準備した
- 緊急連絡先や必要書類の保管場所を共有した
準備をした後も、連絡先や葬儀社の情報、費用、供養先などが変わる可能性があります。年に一度など時期を決めて、内容を見直しましょう。
まとめ
身寄りがない方や、親族に葬儀を頼むことが難しい方でも、直葬を選ぶことはできます。ただし、直葬は通夜や告別式を行わない葬送方法であり、ご遺体の搬送や安置、火葬場の手配、費用の支払い、遺骨の引き取りまで不要になるわけではありません。
希望する形で直葬を行うためには、直葬を希望していることを書き残すだけでなく、依頼する葬儀社、連絡する人、費用の支払い方法、遺骨の行き先まで具体的に決めておくことが大切です。
まずは葬儀社へ事前相談を行い、直葬の流れや必要な費用、身寄りがない場合に準備しておくべきことを確認しましょう。
神奈川県内で直葬をお考えの方や、ご自身の直葬について生前に相談しておきたい方は、神奈川直葬センターへご相談ください。






